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レビュー:ジョジョの奇妙な冒険オールスターバトル

ジョジョの奇妙な冒険オールスターバトル

カブ通レビュー:80点

と、総合の結論から出してしまいましたが、自分の中ではジョジョゲーとして、格ゲーとして、それぞれ切り分けて考えたうえで総合しての評価です。

ジョジョゲーとして100点満点

キャラクターの再現度、原作愛があるからこそ理解できる上手い解釈と表現、声優さんのキャスティングなど、ジョジョゲーとして過去最高です。

ちまたではストーリーが物足りないという話がありますが、自分としてはセリフだけとは言えよくストーリー入れる余裕あったなと思うくらい…というか基本は格ゲーなのでむしろ不要なくらいに感じました。

原作ファンならストーリーなんて知り尽くしてるので、それを丸々再現する必要もないんじゃないでしょうか。強いて言えばボス戦だけはスト4くらいの演出でもあればいいなとは思いました。

カプコン製の3部ゲー、5部ゲーも良いものでしたが、ASBはとにかく本当にジョジョを知り尽くしてないと作れないだろうし、ユーザ側も探し尽くすのが大変なほど大ネタ小ネタが詰め込まれており、ちょっとした動作も「何か見覚えあるな」と感じて読み返したくなるレベルです。

ジョジョ愛第一で作られたというのは間違いないでしょう。

プロモーション自体を楽しめた

ジョジョ展の発表と同時でしたから、発表から発売まで丸1年以上。
そこからもうプロモーションは始まっていたわけですが、とにかく期待を昂らせ続けてくれて、自分はプロモーション自体を楽しむことができました。

発表時は度肝を抜かれたし、キャラ発表の度のPVは毎回最高のデキで、発売前2ヶ月くらいで展開されたバトルリーグも楽しく見れたし、ジョジョファンを楽しませようとする姿勢がすごく良かったです。

しかし、期待を持ち上げれば持ち上げるほど、その落差の衝撃は大きくなります…

格ゲーとして60点

で、今度は格ゲーとしての評価です。

自分はジョジョファンであると同時に格ゲーファンでもあります。
小学生時代のスト2に始まり、カプコン派でありつつもSNK系やGGXXから鉄拳もやりますし、最新のスト4にも触れています。なので、辛くならざるを得ません。

その視点でASBを見ると、SFC時代のキャラもの格闘アクションと同じ触感です。
演出重視で格ゲーとしてのゲーム性はすごく浅い、みたいな典型的キャラゲーです。
格ゲーとしてはカプコン製の3部ゲーと比ぶべくもありません。

正直格ゲーとして良い点はほぼ無く、悪い点を挙げるとキリがありません。
ここでズラズラ挙げるとただの愚痴になるので挙げませんが。

しかし、原作ベースのゲームという事情は分かります。

格ゲーどころかアクションゲーム自体に慣れていないファンも多く購入するので、その人達も満足させなければなりません。なので演出の方を重視するのは当然です。そこで格ゲーとしてのゲーム性は、「そこまで必要無い」ということで優先度が下がります。

そうなると、あとはスケジュールとコストの問題です。

格ゲー中級者以上でもなければフレーム単位での有利不利なんて考えませんし、中下段や投げでの崩しの駆け引きも発生しないでしょう。これらのバランス調整は格ゲーにおいては重要ですが、調整には時間と人手が相当かかり、格ゲーを作る上で一番難しい箇所かつ、地味で目立たず、「分かる人が分かる」というレベルの世界なのも間違いありません。
なのでキャラゲーでは優先度がかなり落ちるのは分かります。

格ゲーではなくジョジョゲーという前提で、格ゲーファンではなくジョジョファンの期待に応えるという選択を取り、そこに集中したのだと思います。よく言われる「選択と集中」というやつですね。

しかしそんな言葉のカバーも効かないほど、キャラのバランスが悪すぎたり永久コンボもゴロゴロ発見されていますが、自分の見た感じでは幸い数字調整レベルで解決しそうなことが多いため、今後のアップデートで多少はマシになるかも知れません。

ぴろし社長自らの発表もあり、今後に期待したいと思います。

ただ結局のところ、色々言ってた割にはありがちなキャラゲーになったなぁと… 体験会のアンケートで色々書いたりしたんですが、格ゲープレイヤーの声は重視されなかったようです。

まとめると

ジョジョファンであり格ゲーファンである自分から見るに、ASBはあくまでも格ゲーではなくジョジョゲーを貫いており、格ゲーファンではなくジョジョファンの方向を向いた作品です。

純粋に格ゲー面を期待する人、ジョジョへの入れ込みが深くない人には全く勧められませんが、ジョジョファンであれば買いなことは間違いありません。

ファミ通40点については、レビュアー全員が濃いジョジョオタだったのかは知りませんが、ぶっちゃけ金が動いてるとしか考えられません。ジョジョオタかつゲーオタの自分がクロスレビューの点を付けるとしたら、7を付けると思うので。

比較されやすい3部ゲーはもともとアーケード用で出たので、格ゲーとしての質が無ければ完全アウトなわけですが、そのうえPS版ではストーリやオマケ要素も色々あって楽しめたので評価が高いのでしょう。

格ゲーに対するノウハウの差もあると思いますが、ジョジョに限らずカプコンはキャラクター性もゲーム性も両立させているケースが多いので、ジャンルのノウハウや技術力だけでなく、「ゲームで遊ぶ」ということへの考え方の差があるのかも知れません。

ゲーオタかつジョジョオタであるだけに色々書いてしまいましたが、ひとまずキャンペーンが全て終わりバオーが出てくるまで見届けていきたいと思います。

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